スキー旅行最終日。
安曇野から大阪へ戻るのに、なるべく高速は使わず、
R19をひたすら西へ進むとして、
お昼時にはどのあたりまで進んでるかなあと考えたら、
おそらく岐阜県の多治見市くらいかと。
なので、その辺でなにか名物料理はないものかと調べたら、
「ころかけうどん」なるものに当たってね。
東海エリアではおなじみらしい「ころ」といううどんの食べ方。
うどん蕎麦好きとしては無視できない。
その発祥である店に行くことにしました。
『信濃屋』
なんやかんやで着いたのが14時前。
下手したら麵が無くなって店じまいしてるかもと思ったら、
まだ暖簾がかかってました。
それにしても、古い建物やねえ。
店に入ると、手前にテーブル席で奥が座敷。
奥の座敷に通されました。
テーブルには2人ほど客がいましたね。
メニューはころかけとうどんと支那そばの3つだけ。
それぞれハーフもできるみたいです。
よく分からないので、店主の奥さんらしき人に聞いてみました。
「冷たいのと温かいのとうどんが2種類あるんですか?」
「冷たいのがころかけで温かいのがうどんです」とのこと。
じゃあ、それを一つずつお願いできますかと注文して、
嫁とシェアすることに。
最初にころかけがやってきました。
生姜とネギがのってます。
ぶっかけと違って、麺が出汁にひたひたとつかってます。
食べてみると、なるほど冷たいつゆのうどんなんだなと。
ただ、冷たいだけあってツルツル滑らかな太い麵にはしっかりコシもあります。
ほどなくうどんもやってきました。
こっちはネギがのってるだけ。
出汁は温かく、うどんにコシはありません。
まあ、伊勢うどんまでやわやわではないですけど。
食べてる間も大将がしきりに顔出して、
出汁が濃くないかと気を使ってくれます。
麺の量はそんなに多くはないので、
あっさり平らげてしまって、店に入ってから20分も経たずに終了。
お金を払い、ごちそうさまでしたと古めかしい引き戸を開け、
そして閉めようと振り返ったら、
なんと大将と女将さんが2人揃ってまあ深々と腰を折ってくれて、
「ありがとうございました」と見送ってくれてね。
何という接客姿勢でしょうか。
なんかもう申し訳なくなって、こっちも思わず「ありがとうございました」。
この店の古い歴史、そして麺を打つ手間暇さに関しては、
この下のページに譲るとして・・・
言うたら悪いけど、うどん自体はそんなに特徴的だとは思いません。
先述の通り、量も少なめで値段も上がって1杯780円です。
それでも大勢のお客さんが集まるのはなぜか。
うどん自体の美味しさの他にも理由があると、自分は考えます。
店にいる時、大将と女将さん以外にもうひとりの声も聞こえました。
お二人の娘さんでしょうか?
お二人では店の維持は難しいようなので、
(実際、営業日がかなり減った時もあったとか)
ぜひとも誰かの手助けでこの老舗店を維持していってほしいものです。
遠い場所からお祈りしています。