黒部源流域を巡る 最終日 ~雲ノ平山荘から折立まで~

朝食を食べ終えた後、出発の準備。

今日はカッパ上下にゲイターも付けて完全装備です。

窓から外を見たら、やっぱり雨やし風もキツそうやし。

でも、帰るには出発するしかない。

身体が冷えたら辛いので、いつもより2枚重ね着して外へ出ました。

 

6:31

今日も6時出発予定が大幅に遅れてしまったのは、

この悪天候と無関係ではありません。

でも、行くしかない。

 

 

今日は雲ノ平から下って登って、また下って折立へ帰ります。

 

 

うーん、何も見えませんねえ。

30分ほどは平たんの道を進みました。

 

出発から40分ほど過ぎて、とうとう薬師沢への急坂が始まりました。

 

脚だけじゃなく、両手も使って岩や木の枝を頼りに、

とにかく慎重に下って行きました。

それでも2度ほどヒヤッとしましたが、大事には至らず。

 

そして、とにかく長い。

下りても下りても着かない。

雨もやまないし、とにかく心を無にしてひたすら下ります。

いつもより2枚重ね着したのが裏目に出て、もう汗だく。

すれ違う人や抜かしていく人とも何度か励まし合いました。

 

8:46

とうとう薬師沢出合まで下り切りました!

長い長い1時間半やったなあ。

ま、とにかく無事でよかった・・・と思いきや。

 

 

下り切って、ホッとして川沿いを歩いてたら、

なんでもない石で滑って左に転倒。

左手の親指をしこたま打ち付けてしまいました。

ほんまアホですわ。

 

もしかすると骨いったかも・・・なんて思いながら歩いてると、

上につり橋が出てきました。

 

ハシゴでそこまで登って・・・

 

8:48

つり橋を渡って、薬師沢小屋に到着。

玄関の軒下を借りて、

重ね着してた汗まみれの2枚のシャツとネックウォーマーを脱ぎ、

ザックに押し込みました。

美味しい水を飲んだりして、少し生き返った心地になりましたが、

ツアーの団体さんが来たので、ゆっくりもできませんでした。

 

休憩10分弱で先へと進みました。

 

しかし、打った親指の事が気になって仕方がありません。

腫れてはこないので、骨に異常はないと思うんやけど・・・。

 

雨は降ったりやんだり。

景色も変わらず退屈でしたが、

重ね着を脱いだ分、少し身軽になったようでした。

 

渡渉も3回ほどあり。

 

そして、太郎兵衛平への登り返し。

急登が続きます。

もう疲労はピーク。

心も体も疲れ切ったところで、

ある程度登り切ると風を遮る木々が無くなり、今度は横殴りの雨。

何度地図で自分のいるところをチェックしたか。

もう少しもう少しと自分に言い聞かせながら進むと・・・

 

モヤの中から小屋が見えてきました。

そう、見覚えのある建物が・・・。

 

11:17

やっと太郎平小屋に着きました。

しかし、屋根のあるテーブルは3つだけ。

食事中の人で全部埋まってました。

が、そのうちの一組が昨日の夕食時に同じテーブルだった山好きおやじ2人で、

無理言って少し詰めてもらって、ようやく雨をしのげることに。

そうこうしてるうちに、1組が去って行ったので、

何とかテーブルを確保することができました。

 

それにしても、3日前は多くの登山客でにぎわってたのに、

今日は実に閑散としてますね。当たり前か。

 

そして、ラーメン大1200円也を嫁とシェア。

写真は嫁が先に半分食べた後で撮ったものですが、

とにかく弱った体と心にぬくもりを取り戻せた、

温かく美味しいラーメンでした。

汁まで飲み干してしまったくらいに。

あと、持って下りても仕方がないので、

残ったエナジーバーを全部食べてしまって、

最後の下りの力にしました。

 

 

11:48

山好きおやじと「出たくないですねえ」なんて笑いながら、

それでもやむを得ず出発しました。

 

結局、今日は最後まで雨に降られましたが、

ラーメンのおかげでかなり復活して、

あれだけバテてた嫁の脚も軽やかに。

景色も一切見えないので、とにかく前だけ向いて、

相当サクサク下って行きましたね。

 

14:43

出発から8時間と少しで、とうとう折立に帰ってきました!

ああ、疲れたなあ。早く風呂に入りたいなあ。

 

車の荷室に新聞をひいて、とにかく濡れ物はそこに展開放置。

さっさと車を出して、有峰林道を飛騨側から抜けました。

前回のように熊には出会わなかったけど、

途中でキジとイノシシには出会いました。

さすが山の中の道路ですな。

そのまま、2時間半かけて後泊地である高山へと向かったのでした。