2021鳳凰三山縦走 その3 ~鳳凰三山縦走から中道で下山~

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登山2日目。

今日はいよいよ鳳凰三山を縦走して、

中道経由で下り、青木鉱泉へ戻ります。 

 

 

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5:26

まずは地蔵岳を目指して出発。

少し肌寒いので、Tシャツの上に長袖Tシャツを着て歩き始めました。

上を見上げると、どんより曇り空。

うーん、思いの外天気はイマイチなのか?

 

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そして、朝っぱらからいきなりの急登が始まりました。

 

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森を抜けだしたら、今度は真砂が広がる砂地帯に。

足を置くたびにズリッと少しずり落ちて、なかなか辛い。

上を見ずにひたすら登ってたなあ。

でも、ここでかなり体力を削られました。

 

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6:10

小屋から40分強でなんかだだっ広い場所に出てきて、

山頂表記のある看板も出てきました。

ここが地蔵岳の山頂?

違うでしょ。てっぺんはオベリスクなのでは?

と思って、先へ進むと・・・

 

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お地蔵さん軍団の登場。

さすが地蔵岳というだけあるね。

で、ここを右に進んで登って行くと、

確かオベリスクがあるはずなんですが・・・

 

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あった!オベリスク

が、こんだけ近づいても上は霞んではっきりと見えません。

今回の山旅の一つの目的だった、

鳳凰三山の象徴であるこのオベリスクが、

ちゃんと拝めないとは・・・。

正直、かなりガッカリでした。

 

気を取り直して、お地蔵さんエリアに戻り、

三山縦走へと歩を進めます。

が、ほんとなら左に右にと色んな山を眺望できるはずが、

モヤで何も見えません。

 

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その代わりと言っちゃあなんですけど、

こんな可愛いツマトリソウだとか・・・

 

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シャクナゲだとか・・・

 

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そして、今回楽しみにしてたタカネビランジが稜線のあちこちに咲き始めてました。

景色は楽しめないけど、十分花に癒されながら先へ進みます。

 

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6:37

アカヌケ沢の頭。

ここからのオベリスクが良い感じに見えるらしいんですけど、

今日はアカンなあ。

 

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花崗岩の奇岩を見たり・・・

 

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真砂地帯を下り・・・

 

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真っ白な花崗岩を下って、登り返します。

このあたりからかな。

少し風が出てきたかと思うと、雲の動きも早くなって、

そして右方向の山肌が見え始めたら・・・

 

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出た!北岳出てきた!

 

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後方を振り返ればアカヌケ沢の頭の右奥にオベリスクも出た!

いやあ、一気に雲が晴れてきてね。

もう興奮状態の狂喜乱舞。

この景色を見たかったから登ってきたと言っても過言やないからね。

ほんと嬉しかった。

 

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2つ目のピークである観音岳までの登りもなかなか急でした。

 

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でも、左前方に富士山が雲から顔を出しはじめて、

テンションは上がるばかり。

 

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7:45

観音岳到着。

鳳凰三山はここが最高峰です。

 

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後を見れば、一度は見えなくなったオベリスクが、

雲を纏って再登場したり・・・

 

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そこから左に目を転じれば、

何年か前に登った仙丈ケ岳が顔を出し始め・・・

 

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そして、さらに左には北岳間ノ岳農鳥岳白峰三山がハッキリと。

写真はないけど、さらにその左奥には塩見、悪沢、赤石と高峰が立ち並ぶ。

甲斐駒だけは最後まで見えなかったけど、

ほぼ南アルプスオールスター登場やん!

しばらく見とれてしまいましたね。

 

とりわけ北岳間ノ岳は10年くらい前に登った山。

あそこから登って、あの沢を下ったなあとか、

山を見ながら思い出にふけってました。

でも、しんどかった印象が強いけどね。

 

後から来た年配3人組と色々語ったりして、

ついつい長居してしまいました。

 

 

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最後のピークである薬師岳はもう向こうに見えてます。

名残惜しいけど、先に進みますか。

 

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歩きながらも、なお目は右の白峰三山へ。

高度を下げていったせいか、

進めば進むほど、その迫力を増していきました。

 

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8:36

観音岳から25分で薬師岳山頂に到着。

これで曇りのち晴れの三山縦走はおしまいです。

小屋を出発してから3時間ちょい。

さすがにおなかが減ってきました。

ルートからは少し逸れるけど、薬師岳小屋まで行ってお弁当を食べようかと、

向かい始めたらまもなく小屋の屋根が眼下に見えてね。

時間的にはそんなにかからないと思うけど、

朝イチの砂地で体力を削がれた我々は、

あそこに行って、また登り返してくるのが億劫になって。

まあそれならと、薬師岳山頂付近の岩場の陰で食べることにしました。

 

 

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鳳凰小屋で朝ごはんの代わりにいただいたお弁当。

思ったよりも具材も入ってます。

ぜんまいにこんにゃくにお肉まで。

ほんとお腹減ってたので、あっという間に平らげました。

山を見ながら食べるご飯はほんと美味しいですな。

 

 

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9:09

絶景に別れを告げて、辛いと噂の中道を使って下って行きました。

 

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すぐに針葉樹の森に入り、木の根っこ地獄の急坂を下ります。

ほぼ木陰なので涼しいのはいいんやけど、

兎にも角にも景色が変わらない。

よくもこんな退屈な山道を作ったもんやなあとボヤキながら下って行きました。

 

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お!ギンリョウソウ発見!

 

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9:50

下り始めて40分ほどで御座石という大きな岩が出てきました。

ここでザックを下ろして、しばし休憩。

半袖Tシャツ1枚になって、少しストレッチしたり。

もうとにかく身体をリフレッシュしたいので、

酸っぱい飴をなめて気分転換。

ここで、小屋で一緒やったソロのおっちゃんも下りてきて、

「心がやられますね」と苦笑いしてはりました。

 

 

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ここからもさらに急坂が続きます。

昨日のドンドコ沢はまだいくつかの滝があって目安になったけど、

この中道は御座石以降、目安になるものが何もありません。

精神的にも辛ければ、肉体的にもかなりキツい。

太ももの筋肉が悲鳴を上げ始め、

立ち止まるとプルプル震えてしまいます。

嫁も歩き方がおかしくなってきました。

 

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1時間弱下り続けて、地図で見た通り少し傾斜が緩くなってきました。

樹々の隙間が広がって、ちょっと開放感。

そして情報通り・・・

 

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この辺で最後にオベリスクを拝むことができます。

遠いけどね。

 

オベリスクに別れを告げて、少し心は和らいだけど、

肉体的にはかなり限界でした。

が、御座石からここまで休憩に適した開けたスペースが全然ない。

嫁が疲れ果てたので、草むらにザックを放り出し立って休憩しました。

 

少し回復するも、歩き出すとまた疲れが押し寄せてきます。

少し下ると倒木が道をふさぐように倒れていて、

倒木をまたいだついでに座り込み、そこでまたひと休憩。

もうそうでもしてないとやってられない心身状態でした。

 

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業務用の草にまみれた車道を過ぎると、

地図上ではあと標高差300m。

あと300m下れば、平坦の林道に出るからと嫁にも自分にも言い聞かせます。

つづら折りの急坂を2人無言で下っていき・・・

 

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12:39

下り始めてから3時間半。

とうとう中道登山道入り口に下りてきました!

もうフラフラでした。

 

 

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そこからは木陰の砂利道をゆるく下っていきます。

一気に気分が楽になって軽快に歩き、

なんなら嫁のザックを持って歩いたりしてましたが、

調子に乗りすぎでした。暑さもあってすぐに気分が悪くなりました。

 

最後の最後でショートカットできる道に行ったけど、

川を渡れなかったので引き返すアクシデントもあったり・・・

(数年前の地図なら行けるように書いてたし、

コースである事を示す赤いペンキも見えたから行ったのに)

 

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13:32

無事に青木鉱泉に戻ってきました。

は~、おつかれさん。

 

 

北岳もそうやったけど、ほんと南アルプスは標高差が大きくて手ごわいわ。

この行程を日帰りで行く人もいるらしいからねえ、

ほんと恐れ入ります。

やはり下りのダメージは大きく、

この後数日間は階段の下りに四苦八苦するのでした。